雷管用火薬の作り方<BR>
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ほとんどの簡単に取り扱える火薬は安定で火を付けただけでは<BR>
爆発せず、しばらく燃えて臨界条件が整ってから爆発します(不発が多い)。<BR>
(また、そのほとんどが燃えてしまい効率が悪いのが現状です)<BR>
そこで、一品をのぞき家庭用品で出来る雷管用火薬の作り方を紹介します。<BR>
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薬品の入手<BR>
・一番の目玉である(ポイント)硝酸銀を手に入れなければなりません。<BR>
田舎であれば鏡屋さんで分けてもらうか薬局で印鑑を持って買いに行くしかあり<BR>
ません。<BR>
どうしても手に入れられなければ、十円玉と硝酸アンモニュウム(肥料として販<BR>
売されている)<BR>
により硝酸銅を合成します。(後者の方が感度が鋭く取り扱いが大変)<BR>
・アンモニア(金属成分の無いもの)が必要になりますがこちらは<BR>
雑貨屋で売っている2液式の脱毛剤(成分表にアンモニアの記載があるもの)<BR>
または、カメラのレンズクリーナー(成分表にアンモニアの記載があるもの)<BR>
前者が濃度が濃くおすすめです。後者は濃度が薄くたくさん必要<BR>
・アセチレンガス(カルシウムカーバイトまたは単にカーバイトで販売中。百グ<BR>
ラムあれば十分)<BR>
これはアウトドアが流行しているおかげで簡単です。<BR>
(アセチレンランタンの燃料に使用されています。)<BR>
・コンタクトレンズ用純水(洗浄用?)<BR>
(溶液の調製に絶対必要です。水道水ではカルキ成分や不純物に邪魔され合成で<BR>
きません。)<BR>
・乾電池(6ボルト程度)と銅線2本と10円玉2個(硝酸銀が入手できない<BR>
方)<BR>
・コーヒー濾過用濾紙(厚いものがベスト)<BR>
・ガラス製の入れ物(溶液の調製と取り扱いは全てこの中で使用すること)<BR>
・ビニルホースとガムテープとジュースのかん(鉄製)<BR>
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調製<BR>
「1液」<BR>
 手に入れた硝酸銀を純水に溶かします。(数グラム程度を100cc純水程<BR>
度)<BR>
 (皮膚につくと最初白く変化しますが後で黒く変化し、とるのに苦労します。<BR>
 また、非常に不純物を嫌いますので手の汗や、ゴミに注意。水道水の僅かでも<BR>
混入禁止)<BR>
 硝酸銅溶液の作り方(硝酸銀が手に入らない方はこちら)<BR>
 ・純水(コンタクト用の純水)に硝酸アンモニュウムを可能な限り溶かしま<BR>
す。<BR>
 その中に新品の十円玉二枚に銅線をつなぎ電気分解します。<BR>
 電解中最初、酸化銅により真っ黒になってしまいますがだんだん溶液が青色に<BR>
なってきます<BR>
 生成濃度はある程度(硝酸アンモニウム濃度により飽和値は変化します)で止<BR>
まってしまい<BR>
 ますのである程度電解したら濾紙で濾して緑色の溶液を煮詰めて(常温で結晶<BR>
が析出しない程度)<BR>
 浅いお皿に取り、自然乾燥させます。乾燥後お皿の中には、緑色の菱形結晶と<BR>
透明色の結晶<BR>
 とその他作りかけ結晶とその他不純物結晶が成長しているはずです。<BR>
 その中の緑色の菱形結晶をピンセットでこの結晶み取り出します。ゴミがつい<BR>
ていれば削ります。<BR>
 (このときゆっくり成長させるのがミソで、この操作により非常に困難な分離<BR>
精製作業が終了します。)<BR>
 この結晶を純水に溶かします。(数グラム程度を100cc純水程度)<BR>
「2液」<BR>
 おすすめの脱毛剤を使用した方は瓶を開け臭いをかぎますトイレの噎せ返るよ<BR>
うなアンモニアの臭いを<BR>
 感じたほうを使用します。カメラのレンズクリーナーの方はそのまま使用可能<BR>
です。<BR>
 (ただし、着色しているものは成功率が非常に低い)<BR>
「3ガス」<BR>
 ジュースの缶にカーバイトを砕いて入れ水を注ぐ。調子に乗ってたくさん入れ<BR>
ると<BR>
 加熱し、反応が制御できなくなるから一粒(大豆ぐらいの大きさ)づつ入れる<BR>
こと<BR>
 ビニールホースでガスを誘導する。<BR>
 (使用直前まで水を入れないこと。また、生ガス中には種類によってホスフィ<BR>
ン(毒ガス)が<BR>
 含まれていることがあるので換気の良いところで使用すること。また、特に火<BR>
に注意する事<BR>
 非常に可燃性のガスです。空気が無くても引火します。)<BR>
・ポイントは濃度はいい加減に調製してもokであることです。<BR>
 (錯体反応により必ず反応するが、1液成分全てを反応させるために1液は薄<BR>
く、少量にするのがポイントです。<BR>
  1液を濃く作ると2液がたくさん必要になります。<BR>
  「1液」が1:「2液」が10の割合で必要です。<−作成した濃度により<BR>
ます。)<BR>
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反応<BR>
・1液に2液を1滴づつ入れます。濃度により次の反応があります。<BR>
 ・入れた瞬間に一瞬、茶褐色または黄色または緑色に濁るが瞬間に解けてしま<BR>
う。<BR>
  このときこれで終了。<BR>
 ・入れた瞬間に一瞬、茶褐色または黄色または緑色に濁ったまま。<BR>
  このとき透き通るまでいれる。(透き通ったらすぐやめること)<BR>
 ・全然反応しないとき、上記反応を通り越してしまったか、薄すぎて反応が見<BR>
えない可能性があります。<BR>
  濃いときは楊枝に1液を付けて2液にいれ反応するか見てください。<BR>
  反応しないときは濃度が薄すぎることが考えられますので濃度を濃くしてチ<BR>
ャレンジしてください。<BR>
・次にいよいよ形として見ることが出来るようになります。<BR>
 溶液中に「3ガス」を導入します。(1秒から2秒に一泡程度)<BR>
 だんだん溶液中に黒〜茶色固形物が析出します。<BR>
注意・・絶対にこの状態で析出物を乾燥させたり、つぶさないこと。<BR>
    (とても爆発(無酸素雰囲気でも爆発します)しやすく危険です。)<BR>
・固形物を濾紙により分離し、純水を上から流し洗浄する。<BR>
 純水中で保管(長期保管禁止)、使用する際は乾燥(自然乾燥)する。<BR>
・ポイント(きちんと反応していれば「3ガス」により必ず析出します。析出量<BR>
は1液の濃度により<BR>
 変化する)<BR>
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この爆薬の性質について<BR>
・この化合物はアセチレン金属化合物であり、無酸素下(水中でも)で、分解<BR>
(爆発)し、また<BR>
 発生したガス(アセチレン)も無酸素下でも爆発します。条件がそろえば2次<BR>
爆発も可能。<BR>
 ちなみに爆発限界値maxは100%(空気必要なし)であり<BR>
 ガソリンなどはガソリン数パーセントの濃度で適当な空気と空間が必要。<BR>
 爆発条件は乾燥時には摩擦(紙にはさんで擦る程度から完全乾燥時には棒で接<BR>
触する程度)<BR>
 であり非常に神経を使う。しかし、吸水状態では叩くなどの状態まで鈍感にな<BR>
る。<BR>
 (水中でも爆発するので底に蓄積したものを突っついてはいけない)<BR>
 この爆薬の歴史は戦時中、鏡を作る工場でたまに爆発事故が起こり調べた所、<BR>
発見されたものである。<BR>
 (今回のものと化学系体違うが、基本的構造はにている)<BR>
 性質が上記のようであるため、改良され戦時中は魚雷や地雷の雷管として数多<BR>
く使用されたが、その後<BR>
 高価な金属を使用しない方法やさらに安定した高感度黒色火薬などの登場によ<BR>
り使用されなくなった。<BR>
 これを復活させ、一般用品で製造するのが上記方法である。<BR>
 当爆薬は非常に、状態による感度差があるため大量に取り扱うことが出来ませ<BR>
ん。<BR>
 しかし、衝撃波を発生できるため雷管などの起爆剤またはかんしゃく玉などに<BR>
使用します。<BR>
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おまけ<BR>
 雷管にするには端を閉じた細いガラス管(数センチ)に豆電球などの光る部分<BR>
にリード線を付けたもの<BR>
 と一緒に入れ、端をエポキシ接着剤で封入して出来上がり。<BR>
 (絶対に乾燥物を詰めてはいけない。また詰めるときこれをつついてはいけな<BR>